340メートルを超える長さを持つ当社の岸壁には、ケープサイズの大型貨物船も着岸可能となっています。岸壁上には、大量の貨物を迅速に荷揚げするためのアンローダーやホッパーカー、各種保管設備に貨物を搬送するベルトコンベヤを完備。また内側の陸地よりも1メートル程高く建造されており、防波堤の役割も担っています。

内航船・艀等、国内輸送を目的とする小型貨物船の着岸用に内堀を設けています。本船と平行して小型貨物船の着岸が可能で、本船から直接トランシップを行う事ができます。保管設備を介さないため、スピーディーに積み替え作業を行えます。

ケープサイズの本船にも対応した大型の陸揚げ専用設備です。大型化する貨物船に対応出来るよう設計されています。岸壁上に並んだ3基の内、1基を予備に回す事でトラブルやメンテナンスに備えつつ、2基同時並行で1日に3万トン近い揚げ荷役が可能です。運転席は、地上から36メートルの高さに位置しており、ワイヤーで吊るされたグラブバケットを見下ろす形で運転します。

貨物の比重により異なりますが、おおよそ15トンを一度に掴み取ることができます。掴める量が異なるグラブバケットを複数種類用意し、貨物毎に使い分ける事で、常にアンローダーの性能を最大限発揮しています。掴んだ貨物の重量に耐えられるよう頑丈に設計しており、グラブバケット単体でもその重量は15トンにも及びます。最近では、グラブバケットの材質にステンレスを用いるなど、常に改良を試みています。

グラブバケットから落下する貨物の衝撃を和らげると共に、下部を走るベルトコンベヤへ安定した貨物の供給を行う為の設備です。ホッパーカーの中に、約100トンの貨物をためる事が可能で、断続的に落下してくる貨物を連続的な流れとしてベルトコンベヤへ送り出します。搬送先設備の受け入れ性能に応じた、貨物の流量調整という役割も担っています。また、本船から直接トランシップを行う為のブームコンベヤを搭載しており、保管施設を経由することのない、効率的な積み替えも可能です。

当社構内を縦横に走り、その総延長は3.5キロメートルに及びます。荷役設備と保管施設を結ぶことで効率的な貨物の搬送が可能です。また、アンローダー2基の同時荷役に対応しており、関連設備の性能が発揮されるよう設計がなされています。また貨物によってラインを使い分け、随所に磁選機やフィルター、カバーを設置することで搬送中の貨物保護に努めています。

貨物の積み付けと払い出し、1基で両方に対応した設備です。当社では塩・硅砂を保管している野積場で使用しています。野積場に平行して、東西450メートルに渡り敷設されたレールには、ベルトコンベヤが併走しており、本船荷役により搬送されてくる貨物を、野積場へ直接積み付ける事が出来ます。また装置先端にあるバケットホイールを回転させ、積み付けられた貨物を削り取るように払い出します。

主に内航船・艀に積み込むシップローダーを2基保有し、石炭とその他の貨物（塩・穀物・硅砂など）に分けて運用する事で、貨物同士の混入リスクを抑えると同時に、効率の良い運用を行っています。シップローダーまでの搬送は、保管施設からベルトコンベヤ経由が主となりますが、トラックを介した搬送も可能で、万一のベルトコンベヤのトラブルや当社外からトラックで搬入された貨物の積み荷役にも対応しています。

環境にも配慮した、京浜港でも珍しい屋内型の石炭保管施設を２棟保有しています。2.2ヘクタールを超える面積に、合計28万トン超の石炭が保管可能です。風雨の影響を受けずに一定の品質を維持する事ができ、炭温監視システムにより、大量の石炭を安全に保管できます。また、傾斜した屋根も雨水の回収に活用しており、貯炭場内の散水や荷役設備の洗浄に用いています。

当社では現在4棟の倉庫を保有し、保管する貨物の多様化に備えています。そのうち2棟は、温度管理可能な定温倉庫として運用しています。

大量の貨物を保管する為に整地された屋外保管施設で、ヤードとも呼ばれています。2.6ヘクタールに及ぶ敷地面積から効率よく搬入・搬出が行えるよう、専用のスタッカー＆リクレーマーを備えています。内航船・艀積みによる大量輸送の他、小口のトラック積みなど、出荷量に応じた柔軟な対応が可能です。

当社は大小114基の保管ビンを有しており、主にコーンやマイロ・麦類・モルト・大豆などを保管しています。多様なニーズに応えるため、本船からの搬入に加えて、トラックによる搬入を行うためのコンテナピットを備えており、20フィート及び40フィートのコンテナをダンプアップヘッド無しで搬入することができます。また搬出においてもシップローダーへの搬出のほか、トラックへの積み込みが行えます。

硅砂加工場においては、硅砂の乾燥・分級・脱鉄・成分分析・袋詰作業を行っております。

現在は休止中ですが、モーダルシフトへの対応を可能にする当社敷地内への引き込み線を有しています。環境負荷の低減に向けた気運が高まる中、大量輸送と定時運行が可能な鉄道輸送の再開を模索しています。